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ひとりでテレビをつけて過ごす夜のこと

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ひとりでテレビを流している時間が、前より自分に合ってきた気がします。
夫と見ていた頃とは少し違う、今の落ち着いた過ごし方について書きました。



ひとりでテレビをつけている時間が、前よりちょうどよく感じられる日があります。
内容を真剣に追うわけでもなく、
部屋に音があるだけで落ち着くことがあります。

夫と暮らしていた頃のテレビは、今とは少し違いました。
私は倍速で見るのが好きで、夫はゆっくり見たいタイプで、
どちらかが合わせるたびに、番組の流れが変わっていました。
好きなジャンルも違っていて、
同じ番組を見て笑うことはあっても、
笑うタイミングがずれて、
相手の反応に気を取られることもありました。
楽しいのに、どこか気持ちがそわつくような夜もあったと思います。

今は、横になってテレビをつけるだけで十分です。
自分のペースで見て、気が向いたら消して、
音だけ残しておく日もあります。
何かを共有しようとしないぶん、
気分が平らなままでいられることが多くなりました。

夫がスポーツ中継で興奮していた姿を思い出すことがあります。
その空気が部屋に流れていた頃を思うと、
少し懐かしく感じる日もあります。
ただ、その感じが強く響くわけではなく、
ふとよぎって消えていく程度のものです。

今は母が家にいて、
同じ家の中に人の気配があるからかもしれません。
寂しさが深く残ることはなく、
静かな音のある時間が、今の自分には合っているように思います。

ひとりで見るテレビがちょうどよく感じられる日が増えて、
夜の過ごし方が少し軽くなりました。

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