一日の終わり、
ノートパソコンを閉じて、
机まわりの小物を定位置に戻します。
「今日はここまで」
そう決めて、席を立ちます。
この机は、腰の負担が少ないように高さを変えられる、お気に入りの机です。
見た目が特別おしゃれなわけではないけれど、
毎日長く向き合う場所だからこそ、無理のないものを選びました。
椅子も、ずっと悩んでやっと決めた一脚です。
周辺機器や、小さな本棚も、少しずつ揃えてきたものばかり。
値段は高くないけれど、自分が納得して選んだものが、
机のまわりに静かに並んでいます。
仕事のことや、家のこと。
頭の中には、いろいろなことが残ったまま夜になります。
急にすっきり整うわけではないけれど、
パソコンの位置を少し直して、マグの置き場所を決めるだけで、
気持ちが少しずつ所定の位置に戻っていくような感覚があります。
この机は、
何かを頑張るための場所というより、
自分の調子を整えるための場所、そんな存在です。
考えをまとめるときも、
ただぼんやり画面を眺めるときも、
この机はいつも同じ場所にあって、
その日その日の私を、そのまま受け止めてくれている気がします。
机の上が整うと、
心のあちこちに散らばっていたものが、
少しだけ手の届くところに戻ってくるように感じます。
全部は片づかなくても、今日はこれでいい、と思える程度に。
暮らしの中で、私がいちばん長く向き合っている場所は、
もしかしたらこの机かもしれません。
ここに座って、パソコンを閉じて、
湯気の立つマグを手に取り、
今日あったことを一つ思い返す。
それだけの時間が、私にとっては大切な区切りになっています。
机まわりが整っていると、気持ちも少しずつ落ち着いていく。
大きな変化ではないけれど、
毎日を続けていくための、小さな支えのような場所です。
